古寺探訪(古寺素描改)60ー西大寺1ー奈良
古寺探訪(古寺素描改)60ー西大寺1ー奈良
古寺探訪(古寺素描改)60ー西大寺1ー奈良
 真言律宗総本山の寺院。創建は天平神護元年というからことのほか古い。山号を勝宝山、院号を四王院、重要文化財僧の釈迦如来を本尊にいただいている。常騰を初代住職として建立、時の孝謙上皇が(のちに称徳天皇)建立に深く関っている。孝謙上皇のとき恵美押勝の乱平定の発願して金銅四天王像の造立を行っている。
 西大寺の寺名「西大寺」は「東大寺」に対するものだ.
壮大な寺域と伽藍を擁し、薬師金堂、弥勒金堂、四王堂、十一面堂、東西五重塔が並び南都七大寺のひとつにかぞえられていた。大仏で有名な東大寺の仏教華美はないが、いかにも古寺のたたずまいを保持していた。称徳天皇といえば女性天皇でその庇護を享けるばかりか、公私にわたって天皇を補佐つかさどり、自ら天皇に生り替わろうとした僧・弓削道鏡がいたことが西大寺建立に思想的影響を与えたといわれる。
 創建当時の壮大さは、中心に薬師金堂、その背後に弥勒金堂、、東に小塔院、北に食堂院、中心伽藍の西に正倉院、北に政所院、中心伽藍の前は東西2基の五重塔、この東に四王院、西に十一面堂院、その南には西南角院があってこの伽藍配置にもみられるそうだ。
 しかし平安時代に入って衰退し、たび重なる火災台風に遭いこれらの多くの堂塔が失い境内にある祭壇や礎石が往時の投影を窺うことができる。現存の堂宇は江戸時代のものばかりである。
 その末に藤原一族の菩提寺である興福寺の支配下に入っている。

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