初秋ー水中花
初秋ー水中花
 夏の濁りは下流にうつり、澄み切った水中の小魚はナイフの刀身のように鱗をひらめかせて藻と遊ぶ。山稜のブナ林に降った雨水は地中に蓄えられ永い年月をかけて山麓に湧出し、渓谷を幾筋も集めて下り河川なり網の目のような用水を経て人間の生活を潤しているのだ。

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