里山のいろどり9-小手毬
里山のいろどり9-小手毬
 虫明・黒井山牡丹園

 花名には殆ど和名がついていて、色、形、葉、茎などの特質を冠せて、その言い当て妙な意味に感嘆し、納得するものが少なくない。このコデマリもそうだ、膝をたたいて思わず叩頭したくなるほど適性をつかんでいる。
 古い時代に中国から渡来したようで、かの国の前世における自然のもたらした壮大な文化や雅趣、それに心琴をかたむけた詩人のあしあとがしのばれる。

 五弁を散形花状にまとめて丸くなり、稚げの掌に可愛く載るのは正しく毬である。
 別名スズカケはどこからきたものだろうか、ちなみに修験者が首に懸ける衣の輪宝に似ているからという説がある。

 個人的には小豆島寒霞渓の急峻な崖に多くの白い花がつらなって咲いていたのが、あれがコデマリだったけ、の憶いが内包されていて、ある時おもいつきに植木市で苗を調達、鉢植えしたものが毎年咲き、今年も真っ白に飾りはや散った。


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