旭川のいろどり36-半田山10
 さくらを愛でる2

 十数種におよぶ国民的な観賞花木。バラ科の木で大きくなる代表植物で国花として愛好されている。奈良時代に栽培されはじめ庭園や集落周辺にとりこまれたようだ。ひな祭りやめでたい時の床間の掛軸にみられるのは承知のことだ。
 江戸時代には種類の研究がさかんになり現在の基礎を構築した。
 開花がほぼ10日前後で、天日の関係で短くなる期間なのがあまりに惜しい気がする。しかし日本人の感覚でいえば散り際のいさぎよさ、散りそぼる花弁の吹雪、小川の背に流れる花筏の哀雅的な情緒は歌心の弦を弾くらしい。

 時代の有様で、そのような心琴は吹き飛んで今や賑やかな屋外宴会で定着し、煙と臭気が充満した桜下に推移している。半田山の頂上に近接した広場では学生の車座から嬌声が頭上の桜花をけむにまいている。
 それはそれでコミニュケーションであろう。 
 

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