万歳時記ー吉備高原1・山野草1
万歳時記ー吉備高原1・山野草1
 セツブンソウ

 節分の頃に開花するのでこの名がついたようだ。寒さにめっぽう強くて、大霜とか薄雪をなんのその、きれこみの深い葉を地上にのばして気温が高くなる午後に白い可憐な花を開く。曇天や雨天にはきまぐれはともかく、キンポウゲ科特有の性癖で唐傘を閉じたような状態でかたまり、待てどくらせどとてもじゃあないが愛想をしてくれない花だ。

 石灰岩質の山裾でやや傾斜のあるガラ地を好み、栗林や梅林、さては手入れのとどく墓地周辺では碁石を撒いたように繁生し、記憶を開陳すれば北面に多いように思う。また、四国ではみられないそうで瀬戸大橋を渡橋してわざわざ観賞にこられると聞く。
 
 山野草愛好家はこの開花を聞くといてもたってもいられなくてそわそわする。

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