よろず歳時記ー百閒川のいろどり19・誰もいない園地
  冷やっこい北風が襟もとなでて通りすぎていく。うっ寒い、・・首をちじめると自然に顔がしかみ、河川敷のランニングコースは風の通り道になっているので、さすが犬をつれて散歩している姿は疎らだしちびっこの嬌声も聞こえない。
 茜いろの光りが左岸のビルを刺してある種の美しいスクリーンになっていた。
 逆に陰影の濃い園地はひっそり孤独だった。
 ブランコ、シ―ソの上を北風が揺らしもせずに吹きぬけていた。

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