とんび歳時記ー百閒川のいろどり4
2015年9月1日 趣味
晩夏の装いがみられるようになると、水量が減って護岸の沈石がうきあがってみえるようになる。流れは一条の波紋を残すだけで水面だけをみると広くは澱んでいるような按配だ。午後の日差しにたちどまっていると、護岸の背にキラッ キラッと銀色が映えて反転しているものが目敏くとらえられ、馴れると大きいのやら小さいのやら、果断なくひからせているのがわかる。
それはナイフのようだ。正体は岡山弁でいえばハエでありオイカワともいう。
精磨の刃を手首でひねりながら踊っている危険な動きにみえる。川下から川上に整然と縦に光り決して横になることはない、やはり水面下では結構な流れがあるのだろう。この時期、とくに瀬を好み夕暮れは水面ちかくを舞う羽虫を追って捕食する性質があり、雄は虹に似た婚姻色を体にまとう。
春から夏にかけて鴨の群れが多い川なのだが渡り鳥は今、遠い大陸へ旅立っておる筈、ところがどの世界でも異端児はいるもので、越年組のひょうきん族の一個小隊が此処あそこに遊弋している。多くて7羽ていどの小隊で達観したような顔つきを悠々泳がしている。雄は雌とかわらない体色にもどってたいてい1~2羽がまじり隊列をリードしていた。
ある日、特大のネズミトリが石段に日向ぼっこしており鴨の群れを冷酷な眼光で凝視していたのに出会った。あんな大きなものが獲物になるまいに、やがて水中に入り首から下を水にかくしてあたかも潜望鏡のように貌をだして鴨に近ずいたものの、どうあがいても呑み込めないと判断したのか元の石段に上がってなおもあきらめきれづに鴨をみつめていた。
ある日、真菰をガサガサさせて肥満なヌートリアがわけでて茎をガリガリ齧りだしたのには驚いた。
小さな秋は生命体の躍動する季節でもある。
*画像上 越年鴨の小隊
下 ナイフみたいにひらめくハエ だがカメラの解像度がおいつかない
それはナイフのようだ。正体は岡山弁でいえばハエでありオイカワともいう。
精磨の刃を手首でひねりながら踊っている危険な動きにみえる。川下から川上に整然と縦に光り決して横になることはない、やはり水面下では結構な流れがあるのだろう。この時期、とくに瀬を好み夕暮れは水面ちかくを舞う羽虫を追って捕食する性質があり、雄は虹に似た婚姻色を体にまとう。
春から夏にかけて鴨の群れが多い川なのだが渡り鳥は今、遠い大陸へ旅立っておる筈、ところがどの世界でも異端児はいるもので、越年組のひょうきん族の一個小隊が此処あそこに遊弋している。多くて7羽ていどの小隊で達観したような顔つきを悠々泳がしている。雄は雌とかわらない体色にもどってたいてい1~2羽がまじり隊列をリードしていた。
ある日、特大のネズミトリが石段に日向ぼっこしており鴨の群れを冷酷な眼光で凝視していたのに出会った。あんな大きなものが獲物になるまいに、やがて水中に入り首から下を水にかくしてあたかも潜望鏡のように貌をだして鴨に近ずいたものの、どうあがいても呑み込めないと判断したのか元の石段に上がってなおもあきらめきれづに鴨をみつめていた。
ある日、真菰をガサガサさせて肥満なヌートリアがわけでて茎をガリガリ齧りだしたのには驚いた。
小さな秋は生命体の躍動する季節でもある。
*画像上 越年鴨の小隊
下 ナイフみたいにひらめくハエ だがカメラの解像度がおいつかない
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