とんび歳時記ー百閒川のいろどり2
 なにもなかった縁や背高くのびた葦のふところに水草がはびこるようになった。なかでもホテイアオイがあちこちに株をふやして群落をつくり、薄ムラサキの花を咲かし水質に似合わず貴品のある雰囲気をみせるようになった。
 ところどこにあれば水質を浄化する役目をはたしてくれるが、水面を覆うほどに繁茂するとかえって水質を悪化させて水棲動植物に害をあたえるようになる。とてつもなく繁茂する倉敷川のホテイアオイ刈り取り作戦がよく報道されるのは、このことであり、家庭から流れ込む排水で高富養度の状態になった証である。
 海の赤潮に似た濁りが毒々しく屯っていて、百閒川にも水流が澱むとこの状況がみられる。
 適度に繁茂して本来の役目をはたしてもらいたいものだが、人の生活のありかたに要因のかかわりが大きい。

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