とんび歳時記ー畔の花火
 水田の畔道や休耕田の叢にカヤツリスゲが繁茂している季節。
 カヤツリは蚊帳吊りだから四方の隅に葉状の稜茎を節節ののばし、その先端に空に舞う花火のさく裂のような小穂をつける。派手な色あいでなく緑一色の極地味な植物。あたかも形は蚊帳を吊った具合であるし、野馳の線香花火のようでもある。この花をみると、お盆で里帰りした姉と風呂あがりの縁台でスイカを食べながら花火した昔日の想いがよみがえるのである。
 

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