とんび歳時記ー架橋①
とんび歳時記ー架橋①
 橋は不思議な物体だ。
 豪壮な構造のものから丸太の小川橋まで、こちらからあちらへ、人を物を運び、伝えるものを伝播して飽くことがない。大きな橋ほどわたりきると脳の一隅に隙間ができて新しい風がふきこんでくる気がする。
 そのなかでも鉄橋は豪快!、ちなみに鉄橋下で貨物列車を身構えて待っていると轟音とその共振がばいふくし、心身をうちふるわして骨筋肉をガタガタ鳴らす。
 走り去ると嘘のような一瞬の虚無感をおぼえるのである。

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