とんび歳時記ー葉張珠水
 里芋の大きな葉に朝の露が玉のり
 そっと硯に集めて墨を磨き
 笹の葉ゆれる脇に文机をならべ
 「七夕さま」「お星さま」「織姫さま」「天の川」
 そして「・・・のように」などの願いごと 
 さらに万葉の端句を色とりどりの短冊に記し
 笹の葉さらさら・・・と
 うたいながら枝に結びつける
 台所から胡瓜や茄、茗荷をもらってきて
 動物になぞらえ楊枝の脚をつけ供え飾る
 ・・・こころはずむ刻であった
 
 今は筆ぺんで用がたりるのである
 
 
 

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